高血圧の合併症「血管疾患」2

高血圧の合併症「血管疾患」2

動脈瘤は、胸部や腹部の大動脈の壁の1部が、動脈硬化性変化によって薄くなります。これが膨隆した状態のことを、大動脈瘤と言います。内径が5センチ以上になると、破裂する可能性が大幅に上がります。こうなると、手術適応になります。また、血管壁の中膜が裂けたことによって、その裂け目に血流が入り込んでしまい、大血管が膨隆する状態のことを「解離性大動脈瘤」と呼んでいます。解離によって生じた空間は、仮性動脈瘤となるので、大動脈瘤の1種として分類されることがあります。正常な層構造が壊れてしまった大動脈は、大変弱く、最悪の場合は破裂します。そして、大動脈の出発点である大動脈起始部であるバルサルバ洞から、解離が心臓にかけて進むと、そこから出ている冠動脈の血流が阻害されて、心筋梗塞が起こりやすくなります。さらには、大動脈弁輪拡張に伴って、大動脈弁が壊れてしまうのです。これを、大動脈弁閉鎖不全症と言います。また、心臓を包んでいる心嚢という袋の中に、出血が起こると、心タンポナーデが生じるおそれがあります。これらの合併症は死に至るものであることから、解離性大動脈瘤は、生命を脅かす危険な状態ですので、注意が必要です。