薬物療法から見た高血圧3

薬物療法から見た高血圧3

薬物療法的観点より高血圧を考えた場合、「虚血性心疾患(冠動脈の閉塞や狭窄などによって、心筋への血流が阻害されて心臓に障害が起こる疾患の総称)」を有している患者は、これまでベータブロッカーが、最初に投与されてきました。しかし近年においては、ACE阻害薬やAII拮抗薬、さらには長時間作用型であるCa受容体拮抗薬の有用性が証明されています。その中でも、「冠動脈(大動脈起始部のバルサルバ洞から生じて、心筋に酸素を供給する動脈のこと)」の攣縮(れんしゅく)によって、「狭心症(心臓部の締め付けられるような一過性の痛みを主症状とする病気)」合併の例においては、長時間作用型Ca拮抗薬が有効であると報告されています。高齢者の高血圧に関しては、これまで根拠がないにも関わらず、積極的な降圧を要さないと考えられてきました。よって、2000年版での日本の高血圧治療ガイドラインで、高齢者の場合は、高めの降圧目標値が設定されてきたのです。しかしながらも、近年報告されている大規模な臨床試験においては、年齢に関係なく、積極的な降圧が必要であることが証明されているのです。ちなみに欧米での高血圧治療ガイドラインでは、年齢によっての降圧目標値の設定はなされていません。